アシスタントは左手の第4指と第5指で針ケースを保持し、第1指と第2指で注射器のシリンダー部をはさむように保持して、術者の右手第1指腹部当てがうように手渡します。

シリンダーを保持した第1指と第2指を前方に押し出すようにすれば、注射器ケースはアシスタントの手に残ります。
注射器は汚染されることなく術者に渡ります。
 
 

麻酔注射の針先を微妙にコントロール
するための術者の姿勢
 
 
上顎浸潤麻酔の刺入点は、各歯の歯冠部中央を通る長軸方向の仮想線と齦頬移行部を結んだ線上に求めます。注射針の刺入は針に圧力を加えるのではなく粘膜を上方に引き上げて緊張させておき、刺入点にタッチした針先に粘膜を軽くかぶせます。この方法をとれば患者に苦痛を与えることはまずありません。針先の開口部は常に骨面を向けておきます。また、薬液の注入はできるだけゆっくりと、1滴1秒をかける程度のスピードにします。このとき術者の体が不安定で手首に緊張があれば、針先に粘膜をかぶせる前に針先が動いて刺入され骨面に達して、患者に苦痛を与えてしまいます。
   
 

患者頭部を右に45°回転させます。左手第2指を内斜線と外斜線の間の凹部にレストさせます。このとき、第2指の爪先の中央から約4mm奥に移動した点が刺入点になります。このときもやはり指先で刺入点の粘膜を緊張させておき、サッと刺入します。針の先端が骨面に触れたらただちにストップし、ピストンを押す第1指を離して血液の逆流がないか確認しながら、ゆっくりと薬液を注入します。